123.4.5.6日本看護研究学会雑誌発行50周年50周年記念座談会 29-2003, 参考文献 ) 学会誌発行30周年記念事業実行委員長田中裕二、山口桂子理事長、他:日本看護研究学会雑誌発行30周年記念誌、2008. )飯島宗亮、小倉志祥、吉沢伝三郎編、シェーラー著作集8同情の本質と諸形式、白水社、1977 )ミルトン・メイヤロフ著、田村真・向野宣之訳:ケアの本質 生きることの意味、ゆみる出版、1998 )E. オリヴィア・ベヴィス、ジーン・ワトソン著、安酸史子監訳:ケアリングカリキュラム 看護教育の新しいパラダイム、1999 )齋藤勉:教育的ケアリングとは何か、日本看護学教育学会誌、12(3):21. 6.日本看護研究学会のさらなる発展のために 多職種が入会できること、多職種と連携して研究を推7.おわりに 皆様、忙しい毎日、本当にお疲れ様と敬意を称する。コールが鳴る。看護師はすぐ駆けつけ、「T さん !!良い香りのウンコがいっぱい出たね !!」と笑顔で、大便の後始末をする。T さん、ジーと看護師を見つめる。「ありがとう !! 気持ちよく片付けてくれる看護師はあんたとあと二人だけだよ。」と礼を言う。看護師は、『一体感から、今、この患者さんにできることは何?と考えて、共同感情へと移り』、クライエントも自分も気持ちよく、クライエントも自分をも大切にしていることになる。 最後に、『感情伝播もどき』という私が考えた「なるべくあってほしくない心理状態」を指摘・紹介する。教員であれば、会議などで見受けられる。【感情伝播もどきの実例】会議やカンファレンスで、普段から発言力・権力のある上司や仲間に対して、本当はそうでない意見を持っているのに、自分の意見を言わない。または、見て見ぬふりをする。進することで、益々発展していけると確信している。 より良い発展を遂げるために、一人ひとりが今抱えている問題が何かを考える時に、これまでの問題解決ツールを使用するのは周知のことである。加えて、ケアリング(知識、修正、忍耐、正直、信頼、謙遜、希望、勇気)を根底に据えておくことも大切ことである。私の経験から、ケアリングのできる人は、ケアをするために必要な知識・技術を覚えることはたやすい。ワトソンらは、ケアリングの考え方である、「人間的・現象学的・人間の経験が中心となっていることを理論的背景に、価値・倫理・専門家としての視点、探求・創造性などを教え、看護学生、看護師が社会的ニーズに敏感になり、ハイテク化した医療に人間性をもたらし、思いやりをもち、倫理的な問題に理解を深め、問題に学問的にアプローチでき、患者のために倫理的な立場を主張できるように」と願っていた。私も含めて考え直す部分があるのではないかと再確認した。世の中のコロナ禍が一段落したとは思えない。5年間臨地実習指導に関わり実感したことだが、看護学生の教育は、コロナ前とかなり変化してしまった。「シェーラーの同情の本質」については、初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれないが、皆さんが日々体験されてきたことを具体的な事例を挙げて文字化しただけのことである。私は、相手(同僚、学生、患者、家族)に映る自分がそこに反映されていると考えている。自分自身を顧みて再確認したことをまとめてみた。▪経歴▪ 1978年、弘前大学教育学部特看卒業と同時にこの学会に入会した(創刊号発刊の年)。 臨床経験7年後母校に配置換えとなり学内・臨床実習を担当した。その後、特看は医療技術短期大学部と統廃合になり、医学部保健学科に配置換えとなった。当時、看護学の大学院が少なく、弘前大学大学院人文社会科学研究科(修士)、博士課程同大学院地域社会研究科(博士)に入学し、5年間、倫理学と哲学(現象学)を学ぶ機会に恵まれた。担当科目は、看護学専攻と大学院ともに、看護技術学、看護倫理学などであった。定年退職し5年目となり、若い教員方の産休・育休の臨床実習非常勤講師、青森県看護協会の倫理研修講師などをしている。 エピソードとして、第2回会長吉田時子先生、第6回会長川上澄先生の教え子である。特看に在職中、第12回会長福島松郎先生、第18回会長木村宏子先生、第24回会長大串靖子先生が大会長をされた時、プログラム委員長として学会の準備に当たった。
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