日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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おもてて、あまり表看護学研究の未来を託す日本看護研究学会雑誌発行50周年50周年記念座談会 と思います(図 4)。 ました。新しい試みですので、気楽にフリートークで参ほとんどなかったと思います。学会の発展は若手にかかっていますから、理事会で検討を重加できるような活動にしたいと。数千人もの会員の中には学会には参加するし、論文も読むけれど、研究におけねた結果、年会費は思い切って安く(千円)設定しました。 る悩みを気楽に相談できる相手が身近にいないという方は案外多いのではないでしょうか。実践研究活動推進生です。法橋編集委員⻑が何年も前から周到な準備をしてくださっていて、すでに下地は整ワーキングにはそういう研究者の受け皿としての役割をっていました。国際誌ができたのですから、この上は、まずは、会員の皆様にどんどん投稿担う目的もありました。 以上の3つの作戦を2020年度からの2年間で展開したしていただきたいと思います。 わけですが、ガバナンスにおける共通ルールとしては、この学会の特徴は看護学のあらゆる専門領域を含む包括的な学術団体であることです。加「すべての委員会活動を見える化する」ということがあえて、あまり知られていないかも知れませんが、学会員の中で臨床の方、あるいは看護実践ります。そのためにこれらの新たな活動はもちろん、本学会のすべての委員会活動のトピックスを会員に周知に携わる専門職者の割合が比較的多いことも特徴なのです。看護に於ける研究とは実践にするために、広報委員会の迅速かつ的確な処理によっ資するエビデンス探究ですから、それを「実践研究活動推進」と銘打ってフィーチャーしたて頻回にホームページが更新されました。そしてさらに、(一つのトピックスにつき最低3回の)くどいほど活動を組織化したいと考えたわけです。ただし、委員会として立ち上げるには時間がかかりますから、まずはワーキングという形で発足させることになりました。新しい試みですので、の会員一斉メールを送信しました。数千人の会員全員がまずは皆さんが気楽にフリートークで参加できるような活動にしたいと。数千人もの会員どこかで何らかの形で最新の学会活動の情報が得られるようにとの配慮でした。というのも、頻繁に更新されるの中には学会には参加するし、論文も読むけれど、研究における悩みを気楽に相談できる相ホ−ムページは、(少なくとも組織のメンバーなら)覗手が身近にいないという方は案外多いのではないでしょうか。実践研究活動推進ワーキンきに行くことが習慣になるものだからです。おかげさまグにはそういう研究者の受け皿としての役割を担う目的もありました。 で、編集委員会も各種規程の丁寧な見直しをやっていただきましたし、国際活動推進委員会、研究倫理委員会なども、学術集会の機会や、別途セミナーを設けるなど、会員の啓発活動も積極的に行っていただきました。そしには出ないんですが、この学会の基礎体力となっている各種委員会の活動です。先ほども挙げさせていただきましたが広報委員会、会計委員会などなど、それぞれ大変成熟したルールを擁する下部組織であり、学会の隠れた資産ともいうべき存在がありました。そして、外部委託ではありますが、事務局の貢献も大です。これらこそが、本学会にしっかりとしたガバナンスがある証と言えましょう。図 4 2 年間で取り組んだ戦略と戦術図 4 2 年間で取り組んだ戦略と戦術 まずは、「学生会員制度」の新設です。当時は 18 歳から⼊会できる看護学系の学会はまだつぎに、2022 年、待望の国際誌(Journal of International Nursing Research, JINR)の誕そして、どうしても取り組むべきであったのが、研究活動の推進です。ご承知のように、 思えばこの2年間は必死で突っ走ったという印象ですが、どうにかこうにかコロナ禍を切り抜けていったように思います。 最後に、(看護学の未来を担う)皆様に託したいことを申し上げます。 今日、この学術集会に参加した方はどなたにも、それぞれの目標、目的があると思います。皆さんは、なぜこのような学術集会に参加されたのでしょうか、自問してみてください。なぜ、対面のこの学術集会にわざわざ足を運んで、新知見を発表するのですか?それは、ご自身の看護をよくしたい、自信を持ちたい、看護の技術や理論を発展させたいと思うからではないでしょうか。ご自分がどんな看護を目指しているか、このような学会に参加することで、何らかの答えやヒントを見つけるためではないですか。看護における研究というのは看護の技術や理論のエビデンス探求に他なりません。このエビデンス探究こそが看護(学)の進化、発展に不可欠なものです。そして今現在は、看護と看護学の存在が世の中で少しずつ認知され、注目され、期待されるようになってきたと思っています。ですから、この人間社会において看護学がどんな役割を担うべきか、看護者一人ひとりが真剣に考えなければならないと思います。会員の皆様の中には、自分は実践に携わるのが忙しくて研究に充てる時間が無い方もおられるでしょう。でも論文を読んで新しい情報を得て、実践に活用しようと努力されていると思います。つまり、看護者である限り、皆さん、ナーシングサイエンティストなんです。是非、その自覚を持っていただきたい。そして、そのことは、看護学(という学問)の担い手の一人だということでもあります。一人でも多くの看護者の方に、この学会に加わっていただい14

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