日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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日本看護研究学会雑誌発行50周年50周年記念座談会   仲間をつないで研究をつなごうームを組織化する⽀援、および研究チームの活動を促進する⽀援を⾏う。「実践研究」とれた。 見つけられず目の前の仕事に追われ研究に着手できずにいる人もいる。「実践研究活動推進ワーキング」は共通の関心がある人をつなぎ、研究課題を追究するグループ作りとグループ活動を⽀援する活動である。「仲間と研究をつなごう会」と「セミナー・研究室をのぞいてみよう」の⼆つの活動を進めてきた。これらの活動をスライドに示した。 11..実実践践研研究究活活動動推推進進ワワーーキキンンググのの発発足足 このワーキングが発足したのは、半分の理事が⼊れ替わり新しい理事会メンバーで開催された初回理事会 2020 年 6 月のことであった。ワーキング設置の趣旨について、深井喜代⼦先生が説明した後、希望者の申し出でワーキングメンバーが決まった。手を挙げたのは浅野みどり先生、前田ひとみ先生、若村智⼦先生そして私の4名であり、ここに深井理事⻑を加えた 5 名がメンバーとなった。どのような活動になるのか未知であり、これからについて、私自身が気づけていないところが多々あるかと存じます。そのような中ではありますが、JINR の編集委員としての経験は、自身の研究者としての成長のみならず、後進の育成にも大いに役立っており、このような貴重な機会を頂いた本学会に心より感謝しております。 日本看護研究学会のキーワードの一つは「臨床」です。近年では大学所属の会員が多くなっているものの、学術集会での発表では臨床家と共同したものが多い状況にあります。また、日本看護研究学会雑誌(和文誌)では、「技術・実践報告」などの幅広い掲載種別を設け、多様な論文を受付・掲載していることも特徴です。これは JINR でも「Technical Report」や「Brief Report」の掲載種別として受け継がれています。さらに JINR は、法橋委員長を中心に PMC ならびに PubMed への収載に向けた準備を進めており、将来的にはインパクトファクターの取得を目指しています。日本発の多様な「看護の知」を世界に向けて発信していくにあたり、JINR が果たす役割は大きいと考えます。 学会誌に加えて、本学会の実践研究活動推進ワーキングでは、実践と研究をつなぐための様々な活動を行っており、これらは本学会の強みを活かしながら、看護研究を推進する一助になるものと考えております。私自身も、これまで以上に所属大学の附属病院の看護師の方々と連携を図りながら、臨床と研究の往還による課題解決を目指した研究を推進していきたいと考えております。 末尾になりましたが、JINR の礎となる日本看護研究学会雑誌をつくりあげてくださった先達の先生方に敬意を表するとともに、JINR と本学会のさらなる発展、ひいては看護学の進歩発展に微力ながらお役に立てるよう、精一杯尽力する所存です。▪経歴▪2007年千葉大学看護学部卒業、2009年宮崎大学大学院医学系研究科看護学専攻修士課程修了(看護学修士)、2013年千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医学博士)。千葉大学医学部附属病院看護師、日本学術振興会特別研究員、宮崎大学テニュアトラック推進機構講師、宮崎大学医学部看護学科准教授を経て、2022年より現職。精神疾患への心理学的なアプローチに関する研究を行っている。日本看護研究学会英文誌編集委員会委員、日本看護科学学 会 理 事、Asian Nursing Research の International Edito-rial Board、Psychotherapy and Psychosomatics の Editorial board などを務める。 実践研究活動推進ワーキング」は、実践研究活動を推進することを目的として、研究チームを組織化する支援、および研究チームの活動を促進する支援を行う。「実践研究」とは、看護実践の質向上に資する研究のことである。看護実践に資する研究活動を学会として支援・推進することを願い、当時の理事長であった深井喜代子先生の発案により設置された。 日本看護研究学会の学会員には看護学研究者のみならず、臨床看護師、看護管理者、そして看護教育者と様々な立場の看護職者がおり、用いられている研究方法もバラエティに富んでいる。さらに看護学以外の専門分野の学会員も多数いる。研究テーマに溢れる看護実践に携わりながらも、研究環境に恵まれない臨床看護師や看護管理者も存在する。一方、研究を遂行する環境はあるが、実践研究活動推進ワーキング」は、実践研究活動を推進することを目的として、研究チ活動できる研究フィールド探しに難渋し、また研究仲間は、看護実践の質向上に資する研究のことである。看護実践に資する研究活動を学会としを見つけられず目の前の仕事に追われ研究に着手できずて⽀援・推進することを願い、当時の理事⻑であった深井喜代⼦先生の発案により設置さにいる人もいる。「実践研究活動推進ワーキング」は共日本看護研究学会の学会員には看護研究者のみならず、臨床看護師、看護管理者、そし通の関心がある人をつなぎ、研究課題を追究するグルーて看護教育者と様々な立場の看護職者がおり、用いられている研究方法もバラエティに富プ作りとグループ活動を支援する活動である。「仲間とんでいる。さらに看護学以外の専門分野の学会員も多数いる。研究テーマに溢れる看護実践に携わりながらも、研究環境に恵まれない臨床看護師や看護管理者も存在する。一方、研究をつなごう会」と「セミナー・研究室をのぞいてみ研究を遂⾏する環境はあるが、活動できる研究フィールド探しに難渋し、また研究仲間をよう」の二つの活動を進めてきた。これらの活動をスライドに示した。佐藤 正美(東京慈恵会医科大学/実践研究活動推進ワーキング)16

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