日本看護研究学会雑誌発行50周年歴代学術集会長第41回学術集会長 宮腰 由紀子(広島大学 名誉教授・日本福祉大学 名誉教授)る(輪)ことが大切です。そのように考えてメインテーマを「日本から世界へ 看護、発信! ──いのちと暮らしを支える 和と輪と環と話」とし、会長講演テーマにしました。司会を担って下さった中木高夫先生が講演後のコメント冒頭で「和と輪と環と話で何が出てくるのか不安だった」と述べられたことは、多くの皆様の心境だったと存じますが、それは狙ったものでもありました。学会テーマそのものは基調講演でと、看護を可視化し海外へ発信を続けられている真田弘美先生に予めお願いしており、熱意ある講演を頂くことができました。学際性は、生物学と比較文化社会学の特別講演、ビッグデータに関する鼎談、今後の看護とロボットに関するパネルディスカッション、ボローニャ教育改革による欧州看護教育の招聘教育講演に恃みました。また、広島を知る特別講演として、広島原爆時の日赤看護学生による〈被爆を語り継ぐ会〉と、孝謙女帝の女官で孤児養育等に活躍した和気広虫が開いた御調八幡宮の桑原國雄宮司にお引き受け頂けて、貴重なお話を伺えました。課題は、国内外の他学会開催日を考慮した期日設定と社会経済情勢の影響を受ける資金調達方法と思えますが、運営委員・実行委員や協賛団体を含め多くの関係者のご協力により行えた学術集会で得た課題は、国内外の他学会開催日を考慮した期日設定と社会経済情勢の影響を受ける資金調達方法と思えますが、教訓は〈大切なことは人と人の繋がり〉で、今も深く感謝しております。学会員の皆様の御支援を受けて、中国四国地方会の御協力と中四国各県の看護協会の御後援の下に、第41回目の学術集会を平成27年8月22日(土)・23日(日)の2日間にわたり広島市の広島国際会議場で開催させていただきました。改めて皆様に感謝申し上げます。開催準備は3年前から始まりましたが、当回は本部事務局を担当下さる株式会社ガリレオ様との学術集会運営の関りを本格的に行うための緊密な連携システム構築を初めて行うことから、ご担当いただいたガリレオ側の竹下清日さま、学術集会側の事務局長の小林敏生先生と総務実務担当の藤井宝恵先生、会場運営等担当の近畿日本ツーリストの近藤千枝子さまには、かなりの御負担をお掛けしてしまいました。また、学術集会の発表演題についての査読と座長は評議員以上の皆様の御協力を頂くことができました。お陰様で無事に当日を迎えられ、順調に運営が行われ、無事に終了した際には心から安堵いたしましたことを、今も鮮明に思い出します。さて、当時は、日本で医療を受けた外国人たちの多くが受けた医療や看護を讃えていたにもかかわらず、日本の看護が備えている多くの利点を世界へ十分に発信できていない、と感じていました。発信するには日本の看護の状況を明らかにする努力〜研究が必要となりますし、1つのことを追究するためには多視点からの方法や考察〜学際性(環)が必要であり、それには自分の意見を出し(話)、他者の意見を聞き(和)、他者と連携す42第41回学術集会で確認できた和輪環話の大切さ
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