日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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第 42 回学術集会 川口孝泰 ① パンフレット ② 集合写真 ◆学術集会のパンフレット The 50th Anniversary 第42回学術集会長 川口 孝泰一般社団法人日本看護研究学会第42回学術集会を、2016年(平成28年)8月21日(土)・22日(日)に、つくば国際会議場において、メインテーマ「先端科学と看護イノベーション」と題して開催しました。本学術集会は、先端科学の街「つくば」で行うことの地の利を生かし、変貌する科学と人間のあり方を対峙しながら、急速にグローバル化する看護・医療において、日本が誇る世界最先端科学と看護の知のあり方を問う機会を得ることを目的としました。 この学術集会のプログラムは、宇宙にひろがる科学の変貌のなかで、未来の看護を見据えた看護研究の方向性や看護学の社会実装の在り方を提案できるような企画を意図しました。つくばには JAXA(宇宙航空研究開発機構)や日本の産業技術を支える知の集団である産業技術総合研究所があります。本学術集会では、JAXA から、未来を語るにはなくてはならない宇宙開発と医療・看護の関係性を探ることで、未来の看護学の方向性について、宇宙開発の視点から「宇宙での健康管理:看護師の果たす役割」と題して、第一線で活躍されている井上夏彦氏に講演をいただき、実際の活動を紹介していただきながら、宇宙開発において、看護が果たしていく役割への期待について語っていただきました。また今後の産業界と看護との結びつきが求められる経営的視点から、未来看護の社会化を目指す企画として、利益相反や特許等に関する話題提供も交えて、「健康医療サービスにおける看護経営学とは」と題した話題について、看護経営の視点から多くの著書を手掛けている東京農業大学戦略室教授の松下博宣氏に、未来の看護技術の社会還元を焦点にご講演をいただきました。また学術集会長が所属する筑波大学には、ロボット技術の医療・福祉への先駆けとなったロボットスーツHAL があります。当時、私自身もその開発チームにかかわっていた関係で、世界水準での研究開発と、それらを社会実装していく際の産業界の秘話などを、開発者である筑波大学教授の山海義之氏に「革新的サイバニックシステムが拓く医療・看護の未来」と題したご講演をお願いし、研究の成果から得られた科学技術の社会還元の方策などについて、未来の看護のあり方も交えながらご(医療創生大学 国際看護学部)講演をいただきました。その他、未来を見据えた先達者の先生方にもご講演をいただき、多くの未来指針が得られたものと確信しています。さらに本学術集会の一般演題にも、本学会らしい未来の看護につながる多くの演題が発表されました。この学術集会のリーフレットと、企画委員が集結した集合写真を提供します。私自身はこの学術集会を起点に、その後の研究活動や社会活動に大きなヒントを得られたものと確信しています。このような機会をいただき、一般社団法人日本看護研究学会に育てられた者として感謝の気持ちで一杯です。Japanese Society of Nursing Research 43先端科学と看護イノベーション in つくば

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