日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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日本看護研究学会雑誌発行50周年歴代学術集会長500名の方々とともに、猛暑の愛知で、全国からの約1,第43回学術集会長 山口 桂子第43回学術集会は、2017年8月29日・30日、東海市芸術劇場と日本福祉大学東海キャンパスを会場として「─原点回帰─ 求められる看護研究の成果と教育への還元」をメインテーマに開催されました。当日早朝に某国のミサイル発射の一報が流れ、名鉄電車が一時運行を見合わせる事態になり慌てましたが、すぐに平常運行に戻り、事なきを得たことを思い出します。2024年に第50回を迎える本学会の学術集会ですが、これまで愛知県で開催されたことがなく、「東海地方会」が20年以上前から名古屋市に事務局を構えて活発に活動していたことからすると意外でもありますが、初めて愛知県に全国からの参加者をお迎えすることができました。この時の学術集会へのお誘いには「“看護”を大学教育として教えるための礎を求めて本学会は生まれました。40年を超える看護研究の歴史に培われて看護学は発展し、その成果によって、看護教育のみならず広く社会への貢献を果たしてきました。しかし、昨今のわが国の社会情勢や価値観の多様化の中にあって、医療や看護に求められる役割は変化し、それに即した教育への期待はますます大きくなっています。ここで、もう一度原点に立ちかえり、社会が求める看護研究・看護教育について考えてみたいと思います。」と掲げました。本学会のこれまでの歴史を振り返ってほしいという願いと、2017年当時、看護系大学が270校にも及び、その教育の質保証(愛知県立大学 名誉教授)が求められる中で、本学会の果たすべき役割は何かを問う意味を込めました。その趣旨が学術集会のプログラムに反映されたのかについては、必ずしも十分とは言えなかったようにも思いますが、“研究成果のさまざまな還元の形”と“これからの看護研究への模索”が、本学会の名誉会員田島桂子先生の特別教育講演や2つのシンポジウム、会員の方々が企画した交流集会などすべての会場で、それぞれの言葉で語られていたように思います。また、今回は地域に浸透する看護系学会でありたいと考え、東海市や知多半島地域の方々にも PR しながら進めていきました。「江戸・明治時代からいきづくモノづくり・健康づくり〜愛知の食文化と健康〜」と題した市民フォーラムでは、東海市の(株)カゴメや(株)坂角総本舗、半田市の(株)Mizkan Partners、各社様のご協力のもとシンポジウムを開催し、多くの市民の方々にも参加していただきました。当日は、「トマトジュースのでる蛇口」も登場して大いに賑わいました。看護学の学会活動が社会にも見える、実りある機会になったものと自負しております。東海地方会世話人の皆様を始め、東海地区の各大学や臨床施設の約300名の運営スタッフの方々、東海市や日本福祉大学など関係機関の皆様に心より感謝いたします。(本学会 HP 会報第107号もご参照ください。)44愛知県で初めて開催した第43回学術集会

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