日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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日本看護研究学会雑誌発行50周年巻頭言 間・健康・環境・看護(ケア)」にかかわる諸現象を対象とし、人が人らしくより健康に豊かに生きるためのヒントや糸口(説や理論)を探究し提案して”きました。このような困難な時期だからこそ、様々な課題解決に向けて看護学研究の力を発揮していきたいものです。  最後に、前理事会では深井会長のリーダーシップのもと、大きな改革に取り組んでくださいました。例えば、学生会員制度の創設、実践研究活動推進WGの新規設置などです。いずれも若手会員の支援や育成、臨床とアカデミアの連携推進を意図した取り組みです。これらの方針は、今期理事会においてもしっかりと継承しつつ、会員のみなさまへの意味ある還元ができる学会運営を心がけて参りたいと存じます。  経験不足・力不足ではございますが、誠心誠意努めさせていただく所存ですので、何卒、ご支援、ご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。  以上、伝統ある日本看護研究学会の代表として、また、看護界への恩返しの気持ちで誠心誠意努めさせていただく所存であります。何卒、ご支援、ご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。 2022年8月一般社団法人 日本看護研究学会 理事長 浅野みどり  挨拶文にも記しましたように、前理事長 深井喜代子先生が着手された改革の方針・方向性を着実に進めていくことが、我々執行部(役員)に課された大きなミッションでした。その中でも、構想を実行へと進められたアウトカムは少なくとも大きく2点ありました。ひとつは、将来構想委員会(前田副理事長、安藤副理事長、矢野理事、岡山理事、布施理事、浅野)を中心に会議を重ねて『Nursing Innovation Seeds 基金』の規程および募集要項を検討・作成し、理事会の承認を経て2023年10月10日 に『Nursing Innovation Seeds 基 金 』2023年 度の 募 集をスタートさせ たことで す。Nursing Innovation Seeds 基金は、本学会の予算を有効活用し、会員のみなさまに適切に還元するために、一般会計から2000万円,を Nursing Innovation Seeds 基金として計上して創設しました。この基金の目指すところは、「看護学全体を包含する日本看護研究学会として、社会の多様なニーズや課題解決につながる融合研究、国際共同研究への発展が期待される seeds や活動を支援することを目的とする。本学会事業の一つとして、本学会のミッションや特徴を明確化し、本学会の魅力アップのための重点事業を選定し、その活動を促進・支援する」というものです。また、 “若手研究者または臨床実践の研究者を含むチームでの申請”に対して、研究目的、研究内容を審査の上で支援するという点が大きな特徴になっています。さらに、応募のタイプは2 種類あり、a. 臨床の研究者とアカデミアとの連携した看護実践研究 b. 看護教育改革/次世代の看護師育成に関する研究 としています。助成金額は申請書の審査を経て最終決定されますが、「最大で年間100万円を上限とし、最長3 年間の支給」としており、看護学系学会としてはかなり思い切った助成金を創設できたと自負しています。  2023年度第1回目の公募分(12月1日〆切)では応募いただいたものの残念ながら採択には至りませんでした。しかしながら、2024年4月30日まで公募延長した結果、複数応募いただいた研究の中から、a. 臨床の研究者とアカデミアとの連携した看護実践研究において1件、採択に至りました。審査には研究倫理委員会の森理事にもご協力いただきました。理事長としての任期内に、何とか Nursing Innovation Seeds 基金として研究助成の実績まで漕ぎつけたことに安堵いたしました。 2つ目は、実践研究活動推進WG(佐藤理事、深井前理事長、若村理事、前田理事、浅野)がたいへん意欲的で継続的な活動を展開くださり、年に4−5回ほどの「仲間と研究をつなごう会」のオンライン開催を継続できたことです。継続は力なりで、新規参加者やリピーターを含め毎回ほぼ20名を超す方々が全国から参加され、研究に関するアイディアや悩みなどの情報交換を行い、一部では研究の仲間をみつけてグループが形成された例もありました。また、学術集会では「仲間と研究をつなごう」の WG 企画交流集会も欠かさず開催してきました。さらに、オンラインならではかもしれませんが、WG メンバーを皮切りに「研究室訪問」も重ねて参りました。第1回は若村研究室(京都大学)、第2回前田研究室(熊本大学)、第3回浅野研究室(名古屋大学)、第4回吉永研究室(宮崎大学)と回を重ね、次回第5回は佐藤先生(慈恵会医科大学)の予定となっています。WG メンバーはそれぞれお忙しい先生方にもかかわらず精力的にご尽力いただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。 最後に、解決には至らず次期の理事会に引き続きお願いしたい課題として、一時期減少していた会員数の伸び悩み(完全回復には至っていない)や役員選挙投票率の低迷が続いている(30%程度)ことです。学会活動は会員の皆様の主体的な活動が基本となります。学会員の皆様のご意見を反映するためにも、選挙(WEB 投票)の際には投票権を行使していただきますようお願い申し上げ、結びの言葉とさせていただきます。ii

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