日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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日本看護研究学会雑誌発行50周年和文誌・英文誌編集委員長前編集委員長からの申し送り 編集委員会は、中木が編集委員長を務め、浅野美礼、井手知恵子、宇佐美しおり、片岡純、勝山貴美子、川口孝泰、北素子、小松浩子、佐藤政枝、柴山健三、杉浦太一、村岡宏子、谷津裕子(以上、五十音順)で構成した。 編集委員会としての最初の作業は、査読委員の選任であった。査読委員は学会誌の質を担保するための砦である。しかし、看護学の全領域に渡って、どの会員が、どの領域の、どの研究方法に強いのか知り得ない。ひとつの選択は評議員であった。それなりの人が選ばれていると考えたわけである。そこで、評議員全員と前期の査読委員の全員(だったと思う)に、査読委員への就任の諾否と査読領域を尋ねた。 そして、投稿論文をまず編集委員に割りふり、編集委員に査読委員候補2名を提案してもらうという体制を整えた。前編集委員長からの申し送り 学会誌発行30周年記念誌に、前編集委員長の川口孝泰先生が、次期編集委員会の課題は「オンラインジャーナル」と「オンライン投稿査読システム」であると書かれていた。 当時の日本看護研究学会の雑誌投稿規程と原稿執筆要項は、それぞれ学会誌2頁に満たないという簡易的なものであったため、米国の看護系学会や日本の他の看護系学会の論文執筆スタイルに合わせるという計画をたてた。 「投稿規程」では著者および著者資格を明確に定義した。さらに、学術雑誌に未発表論文も明確に定義した。投稿規程原稿執筆要項オンラインジャーナル化と無料公開第33巻4号〜 37巻3号担当 平成22年度〜 25年度 和文誌編集委員長 中木 高夫研究倫理に関しては、米国保健福祉省研究公正局の公表物や米国心理学会の倫理指針を参考に定めた。とくに、「ミスコンダクト」「断片的投稿」「二重投稿」「不合理な投稿の取り下げ」などに喚起を促した。また、テクニカル・エディター(編集技術者)の存在を明らかにした。これにより、雑誌投稿規程は、学会誌4頁に倍増し、充実した内容になった。 日本看護研究学会は、その沿革から理解できるように、多くの医師資格をもつ会員たちの指導のもとにはじまった。そのため、論文執筆スタイルは一般に「ヴァン ク ー バ ー 方 式 」 と 呼 ば れ る International Committee of Medical Journal Editors( 国 際 医 学 雑 誌 編 集 委 員 会、ICMJE)の様式を援用していた。たとえば、引用文献は、本文中の引用箇所の肩に1)、2)、のように出現順に番号で示し、本文原稿の最後に一括して引用番号順に記載していた。 これを米国心理学会(American Psychological Association、APA)が発行している『APA 論文作成マニュアル』のスタイルに準拠するようにした。和文原稿であっても、学会誌に投稿される論文には、和雑誌・和書籍の引用だけでなく、洋雑誌・洋書籍の引用があるために範例が複雑になったことが苦労した点である。 上記のような整備を経て、いよいよ前編集委員長から投げられた課題に取り組むことになった。 従来から、学会誌の作成については、千葉市にある正文社にお願いしていた。正文社はもともと印刷業であったが、時代の変化に合わせて次第に電子出版にシフトされていき(このあたりの事情は前任の川口先生が詳し58新しい投稿規程と原稿執筆要領、 そしてオンラインジャーナルとオンライン投稿査読システム

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