345,日本看護研究学会雑誌発行50周年地方会の歴史5.https://www.jsnr.or.jp/district/kinki-hokuriku/relay/communication/s.html68中国・四国地方会イクルが生まれています。 )近畿と北陸地区との相互開催:石川県から兵庫県までをカバーする近畿と北陸では、学術集会やセミナーを、この2つの地区で相互に開催するなど、交流の機会を工夫しています。 )研究セミナーでの若手研究者の起用:研究セミナーの講師に、若手研究者を起用することは、経験になるだけでなく、新進気鋭の研究者の発掘につながります。 )機動力:当初から、集まった世話人みんなで、動くことが特徴で、これは今も受け継がれている伝統です。学会準備も一挙にやってしまう、この機動力は、若手の世話人に、1+1が2以上の価値をもたらすことを教えてくれています。 このような活動の強みを活かして、地方会の活動の知名度をさらにアップできれば、日本看護研究学会の土台を支える役割を果たせると思います。興味を引くテーマは、若手や大学院生の心をつかみ、質の高い看護研究活動につながります。近畿・北陸地方会としては、このような、会員と顔のみえる関係を大事にしながら、看護研究活動を支援していきます。 地方会の誕生の経緯は、本地方会のブログに紹介しています。1231.中国・四国地方会の歩み 中国・四国地方会は、1986年に当学会初の地方会として設置されたC地区(近畿・四国)地方会に起源をもち、本学会の選挙区割り変更に伴い、1993年〜中国・四国地方会となりました。当初は会員及び世話人が少なかったため、近畿・北陸地方会と合同活動していましたが、2003年から完全分離し、中国・四国地方会単独で活動しています。2.主な活動と運営方法 定例活動として、1)学術集会の開催、2)学術セミナーの開催、3) ニューズ・レターの発行(現在第32号)、4)3年毎に運営委員選挙を行っています。学術集会は2024年3月には第36回を開催しました。学術集会の回数は C 地区当時からの通算としています。2017年8中西 純子(副会長)月には、30周年記念誌を発行するとともに、C地区(近畿・四国)時代も含めた学術集会抄録集とニューズ・レターをアーカイブ化し、地方会ホームページに掲載しています。 地方会の運営方法は、単独活動になるまでは有志からなる“世話人”による運営でしたが、単独活動になってからは、地方会会則を定め、各県から2〜4人ずつ、選挙で選出された委員からなる運営委員会(総勢30 〜 34名)によって運営しています。会長・副会長・会計・監事の他に、広報委員会・学術委員会を置き、組織的に運営しています。 3.現状の課題と対策 現状の課題は、「会員数の減少と地区別偏在」及び「会員からの学術集会の演題数が減っていること」です。本学会の会員数そのものが近年特に減少傾向にあるなか、中国・四国地方会も2015 〜 2016年の1000名弱をピークに漸減し、2024年には800名を切っています。また、県別会員数にも偏在があり、各県から均等に運営委員を選出することが困難となったため、2021年に会則を%(4〜7人)ずつとなるように、改正し、会員数の3山陰・岡山・広島・東四国・西四国の5つの地区に再編成しました。 もうひとつの課題、学術集会の演題数の減少については、第31回からは学生(学部生)の発表も奨励し、総演題数としては80 〜 90演題を維持できています。学生発表数は年々増え、今では学生発表が全体の半数を占めています。その背景には学生は学会に入会せずとも共同研究者に会員が含まれていれば、筆頭で発表可能としてお000円程度とし、発表しやり、参加費も無料もしくは1,すい環境を整えています。しかし、会員からの演題数は伸び悩んでいるのが現状です。4.“地方会のこれから”を考える 地方会が大切にしてきたのは、次世代の若手を育てること、臨床実践と研究の往還を大事にすること、慣習にとらわれず、自由な発想でチャレンジすること、でした。地方会発足当時の1980年代は看護系の高等教育機関もまだ少なく、看護について学べる機会や場は限られていました。そのような背景のなかで慣習にとらわれず、自由な発想で企画する学術集会やセミナー等は、企画する側にとっても参加する側にとっても、ワクワクするものでした。しかし、現在ではセミナーや講演会、ワークショップ等学ぶ機会は数多く、また、専門学会が増え演題発表の場も増えています。また、コロナ禍を経験し、オンラインやオンデマンドでの受講が可能になり、もは
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