日本看護研究学会雑誌発行50周年学会賞受賞 学会賞受賞の想い出とその後の研究活動 2020年度学会賞 2021年度学会賞76 2022年度学会賞礒村 由美髙橋 智子加藤 まり宇部フロンティア大学 看護学部看護学科 日本看護研究学会50周年にあたり、心よりお祝い申し上げます。私が論文「意思伝達能力の低下した高齢者の意思を看護師がくみ取り看護援助を展開するプロセス」を執筆した際は、日本看護研究学会雑誌への投稿は大きな挑戦でした。研究者としてはまだまだ未熟で、論文の掲載を願ってはいたものの、学会賞をいただけるとは考えてもおりませんでした。ただ、自身がすすめてきた研究を少しでもよいものに発展させ発表したいという思いだけで執筆しておりました。査読の過程で研究の核心を突く的確なご指摘をいただき、いま一度深く考える機会をいただきましたこと、また辛抱強く、そしてあたたかく複数回のやり取りをしていただきましたことに、改めて深く感謝申し上げます。現在、意思伝達能力の低下した高齢者の意思のくみ取りについて更なる探究を続けていることをご報告するとともに、日本看護研究学会の益々のご発展をお祈り申し上げます。東京医療保健大学 東が丘看護学部看護学科 このたびは、50周年記念誌への執筆の機会をいただき、誠にありがとうございます。 受賞した「Hybrid 法による急性期看護における日常生活ケアにかかわる概念の明確化:急性期看護における日常生活ケアの理論化に向けて」は、研究プロセスと結果の表現について試行錯誤を重ねた論文でした。看護師の豊かな実践をどのような概念で表現すべきか、また読者に理解してもらうためにどのように構成すべきか等、指導をいただいた先生方をはじめ、編集委員や査読者の皆様から多くのご助言と示唆を賜りました。心より感謝申し上げます。 この受賞は私にとって、研究活動を続ける上での大きな励みとなっております。受賞後にはこの論文を基に急性期看護における日常生活ケアのモデル構築に向けた論文を執筆し、現在はその理論化に向けてモデル案の修正に取り組んでいます。将来も研究活動を通じて看護学の発展に貢献していきたいと考えております。 私にとって学会賞の受賞は思ってもみなかったことでしたが、表彰式で論文名が読み上げられ、ようやく受賞を実感しました。そして、早朝の電車に揺られ遠方の研究協力者へのインタビューに出かけたことや研究協力者の皆さんが親切に語ってくださったことを思い出すとともに、粘り強く丁寧に研究指導をしてくださった先生に深く感謝しました。研究協力者の方々との出会いや語りを聞かせていただいたことは、私にとって新たな理解と次の研究活動に結びついた貴重な経験です。 現在も、自閉スペクトラム症(ASD)の母親の子育てをテーマに研究活動を続けています。対人関係の苦手さや生きづらさがあるといわれる ASD の母親とその子どもの関係性や相互作用への知見が発展し、子育ての支援者や地域で暮らす人々の理解やまなざしが温かいものに変化していくために、これからも取り組んでいきたいと考えています。人間環境大学 看護学部
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