日本看護研究学会雑誌発行50周年奨励賞受賞 奨励賞受賞の想い出とその後の研究活動 2007年度奨励賞 2007年度奨励賞78 2008年度奨励賞 2008年度奨励賞安東 由佳子大釜 徳政下岡(□) ちえ池田 七衣名古屋市立大学大学院 看護学研究科 この度は、一般社団法人日本看護研究学会の創立50周年を心よりお祝い申し上げます。また、これまで学会の発展にご尽力されてこられました歴代の会長をはじめ役員・関係者の皆様に心より御礼申し上げます。振り返りますと、貴会より奨励賞を頂いたのは17年も前のことです。当時は博士後期課程を修了して間もない頃であり、自分の研究に自信がなく、しばらく受賞が信じられなかったことを覚えております。一方で、受賞は、研究へのモチベーションを高め、その後の研究推進の原動力となりました。現在は多くの時間を大学院生の研究指導に費やしておりますが、近年の若い研究者たちの活躍は目覚ましく、彼ら・彼女らによって看護学は今後さらに発展すると確信する毎日です。貴会には、今後も若い研究者たちの活躍を後押しするような活動をお願いできたらと思っております。末筆ながら、日本看護研究学会の一層のご発展を祈念致しまして、お祝いの言葉とさせていただきます。 「『痒いところに手が届く』看護学研究は、がん患者様がふるえながらも一歩前に進むことを支え勇気づける!」ことを念頭に置きつつ朝も夜も試行錯誤を繰り返していた頃、奨励賞のご報告をいただきましたことが私にとりましての勇気となりました。研究課題『器質性構音・音声機能低下を抱える舌がん患者における会話変容プロセスと社会環境との関連性』の受賞は、治療を受けながらもその人らしい生活を支える研究へのベクトルを定め、そして加速させてくださいました。 これを皮切りに、患者様目線で『できないことができるようになる』ための研究にチャレンジすることが私にとりましての新たな使命と心に刻み、放射線療法を受ける患者様が有害事象を抱えながらもおいしく食べられる食事の開発、そして現在、放射線療法、手術療法の特性をふまえながら高齢患者様の認知機能低下を予防するケアの開発を完遂すべく、受賞時も今も試行錯誤を繰り返しております!創価大学 看護学部 賞をいただいた研究は、海外の研究者が開発した尺度の借用にあたり、所在が確認できず、往生した思い出深いものです。大学の図書館員の方が共に探してくださり、何とか日の目を見ることができました。協同研究者だけでなく、名前の挙がらない多くの方の力添えがあって成就し採択された研究でした。賞をいただき、認められたという実感を得て、途中で諦めずに取り組んで良かったと心から思いました。 その後はライフイベントもあり、非常勤で大学教育に携わり、数年前から常勤での活動を再開したという状況です。受賞当時は、臨床での自分の問題としていた中堅看護師の成長と実践能力に関心を持っていました。現在は、看護学生の臨床での成長に関心を移し、科研も取得して取り組んでいます。体験をもとにそれを経験へと変えて、進んでは数歩戻り、また新たな知見を得て歩んでいくという、細々とではありますが息の長い研究を続けていきたいと思います。 奨励賞を頂きましたこと、この場をおかり致しまして御礼申し上げます。この論文は、卒業論文と修士論文を楚にしており、研究活動の初めの一歩でした。本研究は微生物を取り扱かった実験であり、賞を頂けましたことは、喜びとともに、自身の研究活動の在り方に自信を持つことができました。試験管を初めて手にした日から現在に至るまで、研究の具体をご指導くださる白井文恵先生に厚く御礼申し上げます。そして、研究者としての背中を示してくださった、今は亡き土肥義胤先生に、御礼とともに、ご冥福をお祈り申し上げます。研究のその長い過程は楽なものではありませんが、成果物として論文として形作れた時の達成感と、賞を頂けました経験は、現在教育者として学生指導に携わる中で、研究活動の意義を自身の言葉で示すことに活かせていると思っております。この度、当時を振り返る機会を頂戴致しましたことにも、御礼申し上げます。ありがとうございました。森ノ宮医療大学 看護学部看護学科甲南女子大学 看護リハビリテーション学部
元のページ ../index.html#88