日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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,The 50th Anniversary 2008年度奨励賞 2009年度・2021年度奨励賞 2009年度奨励賞 2010年度奨励賞眞鍋 えみ子松田 光信林  裕栄横山 純子 奨励賞という名誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。受賞の対象となった論文は、「看護学生の臨地実習自己効力感測定尺度の開発」です。博士課程で健康心理学に出会い、ストレスコーピング、自己効力感や Locus of Control の理論に興味をもちました。そして、これまでに妊婦のセルフケア行動に関する3つの測定尺度の作成を試み、ヒトの心理的傾向について可視化できることの発見とその楽しさに気づきました。研究プロセスでの学びは次の尺度開発には活かせたものの改善点もありました。さらに上をめざした尺度開発をしたいという思いと、看護教育なら同僚との共同研究も可能であることから研究がスタートしました。今、抄録を読み直します028の数に驚くと共に、調査にご協力と、n =1いただきました看護師養成課程の先生方および学生の皆895や1,さまに改めて深く感謝申し上げます。また、現在も尺度引用許可の連絡を頂き、微力ながらも後進の研究活動に貢献できていることにも感謝いたします。大阪公立大学大学院 看護学研究科 私は幸運にも、2009年度と2021年度に奨励賞をいただきました。私の研究分野は狭義の精神看護学であり、研究課題は基本的に、自身の臨床経験から湧き上がってくる関心事や問題意識であったり、“看護の対象となる人の体験世界や主観的経験を理解する姿勢なくして、良質な看護はあり得ない”という持論に基づいています。思い起こせば、初受賞の際はその思いがけない出来事に、驚きと喜びと半信半疑の気持ちが入り交じっていたように思います。日本看護研究学会は、教育研究の道を歩み始めた私が最初に入会した学術学会です。その学会から頂いた賞は、まさに活動の軸足を実践から教育研究へと移し、実践と研究の融合を目指して取り組もうとする私への激励だったと受け止めています。受賞後は、賞に恥じないよう緻密な研究設計と良質な論文執筆、そして実践に活かされる研究の実施に挑戦し、実践科学である看護学のさらなる発展に貢献すべく精進しているところです。同志社女子大学 奨励賞を受賞した論文は、長い間かけて苦労をして仕上げた博士論文の一部でした。当時は、大学院だけでなく、複数の研究会や他大学の大学院のゼミなどに参加し、質の研究(特に M-GTA)ができるように身に着けたいと必死でした。語彙力や質の研究をすすめるにあたってのセンスの乏しさなどの自信のなさをなんとか克服したいと思ってのことです。 博士論文を早く投稿しなければと思い、博士課程修了直後のゴールデンウイーク中に仕上げたと記憶しています。原著で掲載されたことはとてもうれしく、まさかそれが受賞の栄誉を受けるとは思ってもいませんでした。 受賞することで、質的研究を続けていくことの自信が少しだけ持てました。しかし、今でも力不足を感じることも多々あります。そう思いながらも、やり続けることが大切であろうと自分を鼓舞しながら、訪問看護の研究や所属大学や他大学の大学院での研究指導をさせていただき現在に至っております。 私は2010年度「脳梗塞患者における発症後の自尊感情の経時的変化と関連要因」の論文で奨励賞を受賞致しました。大学院の修士課程・博士課程で取り組んだテーマの集大成となる論文をご評価いただきとても光栄に存じます。パシフィコ横浜での授賞式は一生の想い出となりました。 大学院で兒玉和紀先生から研究の基礎を、宮腰由紀子先生から論文のお作法や推敲を学びました。昼夜休日を問わず同志とともに研究に邁進した日々や壁にぶつかっても角度を変えて分析し一筋の光が見えた感動を今でも鮮明に覚えています。研究をご教授してくださった先生方、共に切磋琢磨し学んだ友人、支えてくれた家族、賞に推薦してくださった松岡緑先生に深く感謝申し上げます。 私は現在、長崎県の離島の病院で木脇恵子看護部長より看護管理の指導・教育を受け、臨床研究を続けております。学会創設50周年を祝すとともに学会の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。社会医療法人玄州会光武内科循環器科病院埼玉県立大学Japanese Society of Nursing Research 79

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