日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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The 50th Anniversary古川(鈴木) 亜衣美 2015年度奨励賞 2015年度奨励賞 2016年度奨励賞 2016年度奨励賞熊谷 理恵山田 隆子上田 伊佐子 貴学会にて奨励賞を授与して頂いた研究論文は、私が修士課程で取り組んだ研究でした。修士課程時代は研究がよくわからないまま過ぎ去っていったというのが正直なところだったので、奨励賞を授与して頂けるとの連絡が届いた際には、非常に驚いた一方で、天にも昇る気持ちを抱いたことを記憶しております。また、自分が行ってきた研究が他者に認められたという喜びと研究の意義を再認識した瞬間でもありました。 受賞後の研究活動は、修士課程での研究を継続し、博士後期課程で「がん患者の意思決定支援」をテーマに取り組みました。また、博士後期課程修了後もさらなる後続研究として、現在も微力ながら取り組んでいます。これらの研究過程で培ってきた知識やスキルは、現在の大学教育、特にがん看護専門看護師教育課程での教育に活かされています。そのため、私が□った研究プロセスは、現在の私の核の一部となって、大きく私の中に位置づいています。 刊行50周年、おめでとうございます。 受賞論文は、岡山大学大学院保健学研究科の博士論文で、指導教員である秋元典子先生との共著でした。研究過程の進捗は順調とは言えず途方に暮れることもありましたが、指導を受け、結果の輪郭が見えてきて論文ができあがっていくことに、喜びを感じていたことがつい先日のように思い出されます。「平成23年東日本大震災」が発生したその時、本論文の指導を受けておりました。奇しくも「令和6年能登半島地震」発生のこの時に本原稿を書くことになりました。 受賞後も、アルコール性肝障害患者を対象とした研究を続けております。私にとってこの論文がまさに研究活動の根幹となっております。名誉あるこの学会誌に掲載され奨励賞をいただいたことは、教育・研究者人生に大きな意味があったことを今改めてかみしめております。今後も論文を掲載していただけるよう、日々研鑽して参ります。長野県看護大学姫路大学 看護学部 奨励賞授与のご連絡をいただいたのは、ちょうど博士課程修了目前のときでした。 本論文は、修士論文として取り組んだ研究であり、自分にとって『初めての看護研究』だったため驚きが大きく、恩師の研究指導力に感服する気持ちが大きかったことを覚えています。その後じわじわと、嬉しさとともに、これから自分が研究者として歩き出すことについて、研究者としての先輩でもある査読者の先生方に応援していただいたような気持ちになりました。 現在まで継続して、新人教育の対象を「新人期:初心者のステージにいる看護師」として捉えながら、どのような支援が、一人前看護師としての看護実践能力や職務満足などに影響するのかを明らかにしたいと考え、尺度開発や概念モデルの構築に取り組んでいます。 新人期看護師への支援に意義ある、また「なるほど!おもしろい!」と読んで役立てていただけるような論文を目指し、研究活動を続けていきたいと思っています。 50周年を迎えられたことにお喜びを申し上げます。前身の四大学研究協議会が教育学部特別教科(看護)教員養成課程の4国立大学により、看護学の教育検討の目的で始まった沿革を、恩師から聞いておりました。そのような縁のある学会の奨励賞をいただいたことは、私の研究のモチベーションを高め、その後の研究を深化させる機会になったと感謝いたします。 私は研究を続けていると、少しずつそのテーマの世界観が広がっていく感じがあり、その感覚が好きです。未知のものが既知になっていくことの楽しさもあります。そして、いつも心には.看護の対象者のお役に立ちたいという信念があり、それが研究のエネルギーになっているように思います。今後も看護への専心を、研究という形で可視化してみます。若手への研究支援もしながら、今後も看護の対象者がより良く生きていくことを、お手伝いできるよう努力していきたいと思います。園田学園大学 人間健康学部人間看護学科徳島文理大学大学院 看護学研究科Japanese Society of Nursing Research 83

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