日本看護研究学会雑誌発行50周年奨励賞受賞 奨励賞受賞の想い出とその後の研究活動 2016年度奨励賞 2016年度奨励賞84 2017年度奨励賞 2017年度奨励賞川田 智美鳩野 洋子小檜山 敦子新井 惠津子 私は、2016年に奨励賞を受賞致しました。受賞当時は、まさか自分の論文が選ばれるとは夢にも思わず、非常に驚いたと同時に、今までの努力が報われ、本当に嬉しく思いました。 この受賞をきっかけに、自分で書いた論文を見返してみました。すると、当時インタビューをした患者さんへの思いが蘇るとともに、「この研究を必ず達成させ、同じような思いをしている患者さんのために役立ててください」という言葉をふと思い出しました。当時、日々の業務に追われ、研究活動から遠ざかっていた私は、この言葉に奮起し、患者さん達の思いに応える研究を継続しなければならないと、志を新たにしたことを記憶しています。 そして今、博士後期課程へ進学し、さらに研究に関する知識・技術・態度を身に着けるべく、自己研鑽に励んでいます。また、今後も多くのがん患者さんの療養生活に役立つ新たな知見を発見できるよう研究活動を継続していきたいと思います。九州大学医学研究院 保健学部門看護学分野 奨励賞をいただいた対象論文は「保健活動の成果をみせる行動実践尺度の開発」でした。ともすれば評価がしにくい、見せにくいと言われる地域での保健師の活動展開の一助になれば、と考え取り組んだ内容でした。 学会から賞をいただくということ、特に奨励賞をいただくということは、自分の研究テーマに対して「大切なテーマと思いますよ」と言っていただけたことであると同時に、学会員の方に論文を読んでいただくきっかけにつながるものと思います。そのため、賞をいただけた際には、大変うれしい気持ちになったことを覚えています。 受賞させていただいたあとも、変わらず保健師の活動を可視化する研究を継続すると同時に、同じように看護職の活動を目に見える形としたい、という気持ちで研究に取り組まれている方のお手伝いをさせていただいています。今後も、看護実践に資する研究活動に取り組んでいきたいと考えております。群馬医療福祉大学 看護学部 日本看護研究学会50周年を記念してお祝いを申し上げます。また、改めまして奨励賞を賜りましたこと大変光栄に存じております。 研究者として歩み始めた当初、「世の中の役に立つ研究であること、研究は自分の自己満足で終わらせてはいけない、対象者はじめご協力いただいた方への還元の意味も込めて研究結果は学会誌へ投稿をすること」と指導教員よりご教示いただいておりました。その言葉を胸に研究に取り組んでおりましたが、研究を進める中でこの研究を遂行できるのか、また、意味のある研究なのか、常に□藤を抱え研究に没頭した当時のことを思い出しながら今、執筆しております。 現在も妊産褥婦の貧血に関する研究に携わることができるのは、指導教員からの多大なるご指導と本誌投稿にあたり査読者の先生方からの貴重なご意見あってのことと思っております。今後も研究に誠実に取り組み、邁進して参りたいと思います。 研究課題「リンパ浮腫患者用自己管理スキル(Lymphedema self-management skill:LESMS)尺度の開発の信頼性・妥当性の検討」を2017年度の奨励賞に選出していただき、大変光栄に存じます。本研究の査読や選考に関わってくださった方々、研究に参加して下さった対象者様、サポート・ご指導いただいた医療関係者様、指導教授に感謝申しあげます。 本研究は、リンパ浮腫患者の自己管理スキルに着目し、臨床現場で活用可能な尺度を開発することを目的に実施しました。開発した LESMS 尺度は、簡単に患者や看護師がリンパ浮腫の自己管理の程度を測定でき、その尺度項目から自己管理の知識・技術の振り返ることができます。これまでにも本尺度は、リンパ浮腫ケアを実践されている方々に使用いただいております。さらに、臨床現場で広く活用してもらうため、本尺度の妥当性を高める研究を実施しております。 今回の受賞を励みに、これからもリンパ浮腫の臨床ケアの発展に貢献できるよう精進して参ります。文京学院大学 保健医療技術学部看護学科香川県立保健医療大学 看護学科
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