The 50th Anniversary 2019年度奨励賞 2019年度奨励賞 2020年度奨励賞 2020年度奨励賞中村 真弓澁谷 幸山本 孝治山本 真実独立行政法人国立病院機構 鈴鹿病院 この度は、日本看護研究学会50周年おめでとうございます。 今思い返しますと、研究中は今後の看護にどのように貢献できるのかを指導教官からご指導いただき、自分自身で何度も振り返りながら研究を進めてまいりました。目標としていた、日本看護研究学会へ修士論文を投稿することができたのも、共同研究者であり指導教官である三重県立看護大学の玉田章教授のご指導のおかげであり、心より感謝しております。2019年度奨励賞受賞の知らせを頂いた時は、自身の研究が今後の看護の発展へ期待される内容であると認めてもらえたことが嬉しく、また同時に身の引き締まる思いがしたのを覚えております。 私は現在臨床で勤めておりますが、医療現場で看護の力が発揮できるような研究に魅力を感じ、今後も精進し、取り組んでまいりたいと考えております。 私は、2019年に「看護師にとっての清拭の意味─清拭のエスノグラフィー─」で奨励賞を頂きました。この受賞を最初に報告したのは、研究フィールドであった病棟の師長さんで、フィールドワークでの様々な出来事を振り返りながら喜びを分かち合いました。研究成果はこの病棟の優れた看護実践あってこそのものであり、私はそれを看護職に知ってもらいたい一心で執筆していましたので、受賞はその実践への賞賛だと思いました。そして、2年半もの間、私を受け入れてくださった病棟の皆様のご協力、投稿時に頂いた厳しくも温かい査読意見なしに、この賞を頂くことはできませんでした。この研究はこのような多くの皆様の支えがあって生み出せたものです。掲載後には、論文を授業教材として活用くださる学部、大学院があることを知り、改めてこの研究の意義を感じました。現在は、看護師が、看護本来の活動に専心することに貢献できる研究へと発展させ取り組んでいます。神戸市看護大学 日本看護研究学会50周年お祝い申し上げます。このような名誉ある学会の奨励賞を授与頂けた事は、研究活動を継続していく励みとなりました。受賞論文は、修士課程で取り組んだ中年期クローン病患者の生活の再構築に焦点を当てた質的記述的研究になります。修士課程在籍中は、初めて本格的な研究に取り組んだ戸惑いと研究実施環境の問題から、非常に苦悩しましたので、本受賞は努力が報われた意義あるものとなりました。本研究は私の研究者人生の出発点であり、論文投稿で培った経験を活かして、「クローン病患者の生活・療養・セルフケア」に関する研究を継続して取り組んできました。現在は、博士後期課程(2023年3月修了)で取り組んだクローン病患者のセルフケアをアセスメントするツール開発について、更なるブラッシュアップを重ねており、今後ツールの検証に取り組む予定です。引き続き、看護実践に寄与できる研究を積み重ね精進して参ります。 奨励賞受賞を知った時はとても驚きました。そして研究プロセスでの様々な出来事を振り返り、嬉しさが心に広がっていきました。この論文では、療育教室に通う子どもの母親が、子どもの見方を変えていくしなやかさを身につけることを明らかにし、母親の学習が対話のパートナーである看護職者の学習でもあることを提案しました。「私」をデータに含めることに挑戦した思い出深い論文です。「私」をデータに含めることで、対話においては互いが変化の主体であり、対話を続けることが問題の解消につながる、という対話の特性を背景に描きながら、研究結果を提示したいと考えました。とはいえ、それは容易ではなく、試行錯誤の繰り返しでしたが、博士論文指導教員の浅野みどり先生のご助言や、査読者とのやりとり通じ、論文をまとめることができました。今回の経験を活かし、現在も対話を主軸とした研究を進めています。素晴らしい賞をいただき心から感謝しています。日本赤十字九州国際看護大学浜松医科大学 医学部看護学科Japanese Society of Nursing Research 87
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